赤色をとおして世界をみてみるといままで知らなかったことが、へー、そうなんだって少し分かるかもしれません。
手術をする外科医はなぜ白衣を着ないのか? (入倉隆著)、今と未来がわかる色彩心理(南涼子著)の2冊を参考図書に「赤色」をとおして、ちょびっと世界の解像度や自分の気持ちの解像度をあげてみましょう。
それでは、さっそくいきましょう。
植物の種子は赤い光を見ている
光発芽種子は赤い光を認識しているのだそう。目がないのにですよ。その種子は赤い光のうち比較的短い波長である660㎚付近の光をあびると発芽を促進するが、比較的長い波長である730㎚付近の光はその効果を打ち消すのだそう。同じ赤色でも波長を感じ分けているというのだからすごいですね。なぜ短い波長の赤色を感じる必要があるのでしょうか。それは今種子があるところは葉が生い茂っているか判断するためです。もし葉がたくさん茂っていると660㎚付近の光はそれらの葉に吸収され光合成に使われてしまうけれど、730㎚付近の光は葉を通過するのだそう。つまり660㎚の光が届くということは葉っぱがなく日かげが少ないはずで発芽しても光が注ぎ生き残れるだろうと判断し発芽にふみきるのだそう。影がたくさんあるのに発芽すると光合成が十分できず育たないかもしれませんもんね。
南国になぜ赤い大きい花が多い?
熱帯地方で赤色の大型の花が多いのは、花の受粉の役割は昆虫ではなくハチドリのような小さな鳥が主に担っているからで、その鳥に合うように進化したからです。熱帯地方だと暑すぎて昆虫は十分に活動できないらしい。また鳥はミツバチがみえない赤色が見えているという。こういった花を鳥媒花というのだそうだが、温帯地方にもあり、日本では冬に花をつけるツバキやサザンカが鳥媒花にあたります。ツバキやサザンカは冬に花をつけます。昆虫があまりいない冬、メジロなどの鳥が蜜をすいにきます。なるほどツバキやサザンカの花がちょっと大きいのはそういうことだったのですね。
どうして人工的な赤は好きになれない?
街中にあるほら見てくれよと声を大にしている赤い看板の「真っ赤感」はキレイだとはあまり思いませんが、紅葉はの赤色はキレイで好きだという人は多いと思います。同じ赤色なのに、人工物のほうが赤色がはっきりと分かるのにどうしてなのでしょうか。自然の中の色は好まれ人工的な色は嫌われる傾向があるのはなぜでしょうか。それは人工的な色は均一的に塗られていたり模様や陰影が規則的なことが多くそういったものは好まれないのだそうです。逆に紅葉の赤色は均一でなく変化にゆらぎがあります。そういうったものを自然感として感じるそうです。人間はもともと自然の中で生活していましたから、そのように感じるのかもしれませんね。
毒をもつ虫が派手なのはなぜ?
自然界で派手な赤や黄色のものを見るとこれは毒があるんじゃないか、と思う人は多いのではないでしょうか。毒をもつ虫が派手な赤や黄色をしているのはなぜでしょうか。第一感、派手だと逆に目立ってしまって生き抜くことにおいて不利だと思います。実は派手であることは警告色になっているそうで、不快なおもいをもうしたくないだろ、だから近づくなよと警告して自分の身を守っているのだそう。鳥も獣も不快な味や臭気、刺されるなんてのは二度とゴメンなのです。
熟すると果実の色が変わるのはなぜ?
梅もリンゴもミカンもそうですが、もともと緑だった果実は熟してくると赤や黄色に変わります。どうしてなのでしょうか。それは果実を餌としている動物に早く見つけてもらってその動物に種を色んな所に運んでもうらためなのだそう。今運んでくれよという植物からのサインなのですね。猿や人間は長い時間をかけて色覚を発達させ、緑色の中から赤や黄色をみつけやすくなっただけでなく赤や黄色を目立った色として知覚する特質を有しているのだそうです。われわれ人間が赤色や黄色を派手だなと思うのは、森の中で果実を見つけやすくするように進化したからだということです。
参考図書
手術をする外科医はなぜ白衣を着ないのか? 入倉隆著
赤色がもつイメージ
赤という単語が入った言葉には、赤っ恥、赤の他人、赤裸々等があります。物事が過剰で過熱していることを表しています。赤は時代や国、民族によって意味やイメージがほとんど異なることはなく普遍的であるのが特徴だそうです。そうすると人間の進化の過程で身に着けた赤色を認識する性質が色濃く影響しているのかもしれません。赤色は、生命力、情熱、怒り、革命、魔除け、危険、パワー等を彷彿させる色だそうですが、確かにそうですね。
赤色に惹かれる時の気持ち
赤色に惹かれる時というのは、精神的にも肉体的にもバイタリティーに満ち溢れている状態で向上心とチャレンジ精神が高まっている状態なのだそうです。またエキサイティングで刺激的なことを求める時にも赤にひかれやすくなるとのこと。さらに赤色というのは感情を発散させる働きがあるためストレスや行き場のない怒りをぶつけたいと感じている場合にも赤色を求める傾向にあるそうです。みなさんどうですか。普段よりも赤色を好意的に見える時ってどんな心情ですか。
逆に赤色をさけたい時の気持ち
赤色を避けたいときというのは、体力的にエネルギー不足であったり、強い緊張を強制させられ疲れていたり、攻撃的な感情、競争に辟易しているような時だそうです。また自分が主体で物事を推し進めることに負担を感じていたり、頑張ることに疲れているときも赤色が嫌に色に見えてしまうとか。ダウン気味のときは赤色は少し刺激が強く感じるのでしょう。先にもふれましたが、赤色は、生命力、情熱、怒り、革命、魔除け、危険、パワー等を彷彿させる色なので、そんなことより休みたいんだよと体や心が声を出しているのでしょうね。
赤色の物を食そう
体の酸化を抑制してくれる抗酸化物質。20代から物質はどんどん減少するので抗酸化物質をもった食べ物を摂取するのがよいようで、野菜や果物以外でいうとサケ、いくら、カニ、エビなどの赤色の食材がお勧めとのこと。アスタキサンチンという色素で強力な抗酸化力、抗炎症作用をもっているとか。
赤色の服をきたいときの気持ち
ストレスがたまったときに選びたい色は赤色の洋服だそうです。2005年のアメリカの糖尿病学会で報告されたハーバード大学医学部チームの研究調査では赤色はストレスの発散を促し血糖値のコントロールに良い影響があることが確認されているのだとか。ストレスフルになりそうになったら、洋服に赤色の要素を選んでみてはいかがでしょう。
参考図書
今と未来がわかる色彩心理 南涼子著
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